子どもと臍帯ヘルニアと7

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ベックウィズ・ヴィーデマン症候群(BWS)に対する想い

まずちゃんと生きて産まれてきてくれるか

つわりが激しかった夏頃、妻は「二人目は確実に無理」と言うほど、大変な思いをしていました。もともと子どもは一人でいい、という話を事前にしていたので、今回産まれてくる第一子に対する気持ちは、私たちにとってかなり期待している面が大きかったです。 そのため、発覚したBWSにより、もし元気に産まれてこなかったらと考えると、胸が詰まりました。眠れない日もありました。

結局、2024年2月現在、家で大声で泣くほど元気に過ごしています。 難病とはいえ無事に生まれてきて、本当によかったと思います。

また、病気が発覚した時点でも、担当の医師は命には問題がないとはいってくれていたので、かなり安心していました。

顔のみためについて

女の子である事がわかっていたので、顔のみために影響がなければいいなぁと思っていました。実際にBWSの子どもの写真をインターネットで検索すると海外の子ども達が多く出てきます。一方で日本人の写真は極めて少なかった印象です。

調べていくと耳の位置が低かったり、おでこが突出していたりする事があるそうでした。また、赤い斑点なども出ることがあるとのことでした。 先天的な病気を持った子どもの顔の容姿を想像すると、ダウン症のように少し一般的な人とは違う見た目を想像しますが、BWSの場合は一般的な人と大差ないように感じていました。

ただ、舌は大きいため、いつも舌が口から出ているということが多いみたいです。 また、巨舌により成長の過程で歯並びがあまり良くない状態になる可能性もあると言うことがわかりました。

顔の見た目についてはエコーではわかりにくい部分が大きいため、生まれてみないとわからない、ということが多いみたいでした。

片足や片腕だけが大きい、長い

またこちらも、容姿関連ですが、片脚が長くなったり、片腕だけ大きくなったりするのもBWSの特徴です。 エコーでは歪みがあるため、正直生まれてみないと分からないものになります。 脚の長さが違う場合は、治療でなんとかなるそうです。 具体的には過成長が進んでいる脚を固定して成長を遅らせる方法が取られるそうでした。一方、片腕肥大については、基本的には対応策がないと医師から説明を受けました。その際、「それもその子の個性」という話があり、かなりショックを受けた一言で、今でも鮮明にその感覚を覚えています。

子どもの個性かどうかは、私たち親やこの子が決める事であって、他人からそのように言われることではないと感じ、極めて悲しい気持ちになりました。

そのほか成長していく中で気になること

  • 自立して飲食や排泄ができるか
  • 目は?耳は?五体満足か?
  • 言葉はちゃんと話せるか?

など、上げていくときりがないです。 BWSによる合併症は成長過程で発現することもおおく、8歳くらいから発生頻度が減っていくとのことでした。 とはいえ、中学生になって片側肥大が生じる例もあるらしく、一概には言えないようでした。

さいごに

今回はBWSの発覚時点で気になったことや考えたこと、調べたことをざっと書きました。 一つ言えることは「子どもは一人一人違うので、同じ病名でも症状が異なる」ということです。 なので、BWSの診断をされたからといって、今回の記事を鵜呑みにせず、あくまでも参考までにしてもらえたらと思います。

子どもと臍帯ヘルニアと6

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新たな症状の明らかになった1週間

妻が大学病院へ転院してから1週間ほどが経過し、子供の様子が徐々に明らかになってきました。 この期間、緻密な検査が行われ、これまでの症状に加えて新たな特徴が見つかりました。

既知の症状と新たな発見

これまでの診断によれば、子供は「臍帯ヘルニア」と「大動脈縮窄症」の症状を抱えていました。しかし、今回の検査で新たに「巨舌」と「過成長」の2つの特徴が浮かび上がりました。一方で、以前の「大動脈縮窄症」は見られないという結果も明らかになりました。

新たな特徴に基づく推測

「臍帯ヘルニア」「巨舌」「過成長」という3つの特徴が同時に現れることから、医師たちは新たな病名に辿り着きました。それが、Beckwith-Wiedemann syndrome(ベックウィズ・ヴィーデマン症候群)と呼ばれる症候群です。

ベックウィズ・ヴィーデマン症候群とは?

ベックウィズ・ヴィーデマン症候群は、稀な先天性疾患で、典型的な特徴には巨舌、内臓の腫れ、特に腎臓、腫瘍の発生リスク、過成長が含まれます。この症候群はごくまれに発生し、発生確率は約10,000人に1人程度と考えられています。

ベックウィズ・ヴィーデマン症候群の症状は個体差があり、同じような特徴を持つ人でもその程度は異なります。腫瘍の発生リスクがあるため、専門的な医療チームのもとで慎重なモニタリングと治療が必要です。

この症候群の鑑別診断は難しく、遺伝子検査が必要な場合があります。しかし、早期の発見と適切な治療により、症状の管理や予防策が可能です。 新たな症状の判明により、我が家の育児奮闘は新たな局面に突入しました。

子どもと臍帯ヘルニアと5

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入院生活の1週間を経て──新たな展開への期待と課題

前回の記事から引き続きの内容になります。 妻が入院し、病院での治療が順調に進んでいました。 この期間、妻は入院生活に慣れ、周囲の医療スタッフとの信頼関係が築かれました。 我が家にとっての新たな育児奮闘の章が始まり、その過程で得た知識と経験をシェアします。

順調な転院と新しい環境への適応

さて、入院して1週間が経過し、転院先の大学病院の病床に空きがあるということで、転院することになりました。 転院自体は順調に進み、新しい環境への適応が進んでいました。 妻は、専門的な医療スタッフによる的確な説明とサポートに心強さを感じ、治療に対する期待が一層高まっていました。 この変化により、家族全体で未知の領域に向き合い、成長する喜びを噛みしめていました。

徹底される詳細な検査と治療方針

大学病院では、これまで以上に詳細で高度な検査が行われ、その結果に基づいて緻密な治療方針が立てられていました。 切迫早産に関しては、子宮頸管の収縮を抑えるための点滴が導入され、医師と患者との協力のもと、治療の展開が着実に進んでいました。

副作用への対処と家族の絆

治療中に発生した点滴の副作用により、妻は動悸が激しく、苦しい状態に見舞われました。 この難局にも関わらず、妻と私とで協力し、医療チームとの密なコミュニケーションを図りながら、副作用への対処策を模索していました。 この危機を共に乗り越えるプロセスが、家族の絆を一層強固にしていました。

新たな症状の発覚──次回への期待と不安

大学病院への転院してから1週間ほどが経過し、様々な検査を通じて子供の新たな症状が明らかになりました。次回の記事では、その詳細について掘り下げ、新たな課題に対する家族の向き合い方を紹介します。今後の治療に対する期待と不安が入り混じる中、私たちは家族一丸となり、子供の健康に向けて前向きに歩んでいました。新たな展開への期待が膨らんでいる中、これからもご支援いただけると幸いです。

子どもと臍帯ヘルニアと4

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子宮頸管の慎重な観察と1ヶ月後の状態

転院してから1ヶ月後、子宮頸管の長さが急激に短くなっていないという診断をうけました。 この1ヶ月間、慎重な観察とケアが子宮頸管の安定につながったことに、私たちは希望を見出しました。

妻の休職と自宅療養の日々

妻は仕事を休職し、自宅での療養が始まりました。 基本的にベッドでの生活が必要な状態となり、私が食事の用意をし、妻をサポートする日々が続きました。 幸い私はリモートワークをメインで仕事をしており、すぐに妻を支えることができました。 これは新たな育児奮闘の章の始まりでした。

進行が止まらない現実と入院の決断

子宮頸管の長さが急激に短くなることはなかったものの、進行は止まることがなかったため、妻の入院が不可避となりました。 この選択は家族全体の安全を考えた上での決断であり、対処法を見つけるための重要な一歩でした。

大動脈縮窄症との新たな課題

以前の記事で触れた大動脈縮窄症についての不安が現実となり、医師からの診断が下りました。これを受けて、県内の大学病院への転院が決定し、これまでの治療計画に変更が生じました。この新たな課題にも前向きに向き合い、家族一丸となって乗り越えていく覚悟になりました。

子どもと臍帯ヘルニアと3

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秋の診断と臍帯ヘルニアの発見

2023年の秋、我が家にとっての感動と課題が同時に降りかかる瞬間が訪れました。秋のエコーで、妻のおなかの中の子どもに臍帯ヘルニアが見つかりました。この診断は10000人に1人の確率である希少な症状で、初めての親としての我々は戸惑いと期待に胸を躍らせました。私の心には、これからの日々に対する緊張感と愛情が入り混じりました。

少し大きめの病院での検査と心配

転院先の病院では、毎週の検査が始まりました。妻のお腹の中のこどもについての詳細な情報を得るため、我が子の健康状態に対する不安が膨らんでいきました。子宮頸管の長さの検査では、幸い急激な減少は見られませんでした。

臍帯ヘルニアの詳細検査と状態

臍帯ヘルニアについての詳細なエコー検査が行われ、その直径は2〜3cmほどであることが分かりました。喜びと同時に心配事も増えましたが、我が子が小腸だけ体外に出ている状態であり、現状命に影響はなく、医師の説明によると、子どもも苦しんではいないとのことでした。これは少なからず心強い情報でした。

子どもと臍帯ヘルニアと2

子どもと臍帯ヘルニアと2

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秋の診断と臍帯ヘルニアの驚き

秋の診断時、我が家の喜びと不安が入り混じった瞬間が訪れました。エコーで妻のおなかの中の子どもに臍帯ヘルニアが見つかり、これは10000人に1人の確率の稀な症状であることが明らかになりました。その時、未知の道に足を踏み入れる我々にとって、これからの日々がどのように展開していくのかという疑問が心をよぎりました。

小さな診療所から大きな病院へ

臍帯ヘルニアの診断を受け、我が子の健康に関わる大切な決断を迫られました。小さな診療所から少し大きめの病院に移ることになり、そこで待っていたのは新たな医療の世界でした。育児パパとして、この変化にどのように向き合うべきか、心が揺れ動く瞬間でした。

予期せぬ病気の診断

しかし、その病院での驚きは臍帯ヘルニアだけではありませんでした。大動脈縮窄症の疑いも浮上し、我が子の未来に対する深い不安が胸をしめつけました。医師の言葉が頭をよぎり、これからの治療やケアにどれほどのエネルギーと愛情を注ぐべきか、その決断が今後の人生を大きく左右することを感じました。

NIPTと切迫早産の診断

NIPTの結果からは、幸いにもトリソミーの可能性は低いとのこと。しかし、同時に子宮頸管の短さから切迫早産という新たな課題が浮上しました。これまでの喜びと悩みが入り混じり、育児パパとしての役割がより重要であることを痛感しました。未知なる未来への一歩を踏み出す覚悟が、心を強くしていきました。

子どもと臍帯ヘルニアと1

臍帯ヘルニアの発見

2023年秋頃、妻のおなかの中の子どもにエコーで臍帯ヘルニアが見つかりました。臍帯ヘルニアは10000人に1人の確率で発生する稀な症状です。この最初の発見により、妻と私にとって未知の未来への不安と緊張が走りました。

他の病気の可能性

臍帯ヘルニアはただそれだけで終わるわけではなく、他の病気を併発していることがあります。その中でもトリソミーも候補にあがります。この話は、まさに心の中に暗雲を巻き起こすものでした。

ただ、妻は30代であり、トリソミーのリスクが考えられたため、事前にNIPTを受けていました。 これにより、臍帯ヘルニアの診断を受けた時点で、既に全ての検査で問題がないことが確認されていました。

一方で、この臍帯ヘルニアの発見により、他の病気やNIPTの偽陰性が疑われ、不安が募りました。医師とのコミュニケーションがますます重要となり、我が家は専門的なアドバイスを仰ぎながら不安を和らげていくこととなりました。

手術の必要性と新たなステップ

臍帯ヘルニアは、内臓が体の外に出ている状態です。なので、産後に手術が必要になります。しかし、その手術が元々の診療所では難しいと判断され、少し大きめの病院に移ることになりました。

新たな医療環境での対応に不安と期待が入り混じりました。

(続く)

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